東洋医学と養生法

未病を治す!誰でもできる東洋医学のプチ養生法講座☆:基礎編

自然治癒力を高める東洋医学と養生法

こんにちは。

こころの鍼師 金子 敏昭です。

さて、

今回から不定期ながら、シリーズで東洋医学の視点からみた養生法をお届けしていきたいと思います。

このシリーズでは、

心や潜在意識の話を含めつつも、心の器である身体のメンテナンスにより比重を置いた内容になります。

お暇なときにサラッと読み流せて、しかも豆知識的な内容もありますので、興味のある方は以下お付き合いくださいませ。

基礎編の今回は、

「自然治癒力」という観点から、東洋医学の養生の基本的な考え方についてお伝えしていきますね。

※基礎はいいから早く実践したい!という方は実践編からお読みください。▽▽▽

⇒実践編はこちらから

健康と自然治癒力

それでは、まずは養生についてですが、

そもそも、養生というのはどういうことかというと「生命を養う」という意味です。

わかりやすく言うと、

寿命を延ばして長生きするということですが、ただ生き長らえるのではなく、健康で長生きするということですね。

そのための方法が養生法ということになります。

ちなみに、

東洋医学では、人間の生命力はとても強いものだと考えます。

つまり、

人間の身体というのは、本来はあまり病気をするようにはできていないという前提があるのですね。

そして、

生きている以上は、誰しもそのような強いエネルギーを持っているものなのです。

そのような強いエネルギーの働きを、自然治癒力という言葉で表現したりすることもありますが、

東洋医学で健康を考える際のポイントは、その自然治癒力になります。

自然治癒力について

自然治癒力というのは、

たとえば、

かぜをひいた方が病院へ行くと、咳止め、解熱剤等の症状を抑える薬をもらいますね。

そうして薬を飲んで症状を止めている間にウイルス等に直接働きかけている力が自然治癒力です。

かぜを治すのは薬ではなくて、この自然治癒力であり、これが弱いといくら薬を飲んでもなかなかかぜは治りません。

自然治癒力は、免疫の働きとオーバーラップする部分もあるのですね。

このように、

人間の身体には健康状態を維持していくための力が常時働いています。

もしかしたら、あなたは何かしらの持病をお持ちの方かもしれませんが、

自然治癒力はあなたの身体を元に戻そうとして、今この瞬間にも働いてくれているのですね。

本来は、そういう働きが誰にでも備わっているのです。

ただ、世の中には、

病気にかかっても治りやすい人がいれば、治りにくい人もいます。

病気がちな人もいれば、何十年もかぜ一つひかない人もいます。

これを先ほどの自然治癒力で言えば、病気の人、病気がちな人は自然治癒力がうまく働いていない人であり、

逆になかなか病気にかからない人、元気な人は自然治癒力がうまく働いている人だと言えます。

つまり、

自然治癒力がうまく働いていれば健康的な生活が送れるし、うまく働いていないと病気がちになってしまう

ということですね。

このように、

健康かどうかというのは、あなたの自然治癒力の働き具合によるということなのです。

そして、

養生法というのは、言い換えれば自然治癒力を高めるための方法なのですね。

したがって、

「なんとなく調子が悪い。」

「身体が弱くて病気がちだ…」

「病気が治りにくい…」

等の、

自然治癒力がうまく働かない状態にある場合は養生を心がけて、少しでも自然治癒力の働きを高めていく必要があります。

未病って何?

それでは次に「未病(みびょう)」についてですが、

最近はテレビのCMや雑誌なんかでもちらほら聞かれるようになりましたし、

厚生労働省の白書にも未病という概念が記載されているようなので、そろそろ市民権を得てきた言葉ではないかと思われます。

東洋医学では、健康には高い状態から低い状態まであり、それが低下すると病気の状態に至るという連続的な捉え方をしていきます。

未病というのは、

これといって症状は出ていないけれど、健康状態が低下して何らかの症状がでる一歩手前まできている状態を表します。

言いかえれば、自然治癒力が低下して健康を損ないつつある状態だということですね。

その結果、

なんとなくしんどい、調子が悪い等の体のトラブルがおこってくるようになるのです。

このような未病の状態は我慢しようと思えばできないこともないので、ともすれば見過ごされがちになりますが、未病の延長線上には大病があります。

実は未病の状態は、自然治癒力が低下していることを教えてくれる大切な身体のシグナルなのです。

シグナルがささやき声のうちに気づいてあげることが大切ですね。

自然治癒力を妨げる不養生

基礎編の最後は、自然治癒力を低下させる不養生についてです。

ご存知のように、

病気というのはある日突然おこるものではなく、不養生という原因を積み重ねる経過があってこそ、その結果としておこるものです。

症状が突然に発症する場合は、それを引き起こすだけの原因及び経過は、長い間、水面下で進行していたということになります。

たとえば、

昨日食べ過ぎて今日下痢になったということであれば、昨日今日の話で、原因と結果の間にある経過が極めて短い時間なのでわかりやすいのですが、

原因と結果の間にある期間が長くなれば長くなるほど、何が原因か分かりづらくなる傾向性がでてきます。

しかし、

自然治癒力を低下させる不養生がわかれば、病気へ向かう流れを止めることはできます。

主な不養生の種類は、心理的ストレスと飲食の不節制、過労や睡眠不足、運動不足等の肉体的ストレスです。

あとは不養生ではないですが、加齢による気の不足、天候や四季も気の流れに影響を与える要素になります。

このような、

一つ一つは大したことはないようにみえて、日常生活の中で当然のようにやっていることが、実は自然治癒力の働きに悪影響を与え続けているのですね。

まずは自分の生活を振り返って、これまでの自分の不養生に気づいて意識していくことが、

結果として自然治癒力を高めることにつながります。

そしてそれが養生ということになるのですね。

最後に今回の内容をまとめると、

まとめ

●養生というのは健康で長生きするということであり、そのための方法が養生法。

●身体の健康状態を維持していく力を自然治癒力といい、自然治癒力がうまく働いていれば健康になり、うまく働いていないと病気がちになる。

●未病は自然治癒力が低下して健康を損ないつつある状態。

●自然治癒力を妨げる主な不養生には心理的ストレス、飲食の不節制、過労や睡眠不足、運動不足等の肉体的ストレスがある。

●自分の不養生に気づくことが自然治癒力を高めるためにはまず大切。

ということでした。

今回は、養生法を学ぶ上での基礎的な知識をお伝えしました。

それでは次回の実践編では、不養生をやめて自然治癒力を高めるための具体的な養生のやり方についてお届けします。

どうぞお楽しみに!

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