東洋医学と養生法

未病を治す!誰でもできる東洋医学のプチ養生法講座☆:実践編

自然治癒力を高める東洋医学の養生法

こんにちは。

こころの鍼師 金子 敏昭です。

さて、

前回から東洋医学の視点からみた養生法シリーズをお届けしています。

このシリーズは、

心や潜在意識の話を含めつつも、心の器である身体のメンテナンスにより比重を置いた内容で、

お暇なときにサラッと読み流せて、しかも豆知識的な内容もありますので、興味のある方は以下お付き合いくださいませ。

今回は実践編として、『誰でも実践しやすい養生法』をコンセプトとして、具体的な養生法をお届けしていきますね。

養生の基本

前回の基礎編では、

養生法というのは病気を治し健康を維持する自然治癒力を高めるための方法だとお伝えしました。

さらに言えば、

養生とは、自然治癒力に必要なエネルギーである「気」を作り出し”“循環させ”“排泄する”という3つの働きをうまく機能させることと同義なのです。

つまり、

自然治癒力が低下して病気になる場合は、この3つの働きのどこかが異常をおこしているわけです。

したがって養生には、

自然治癒力に必要なエネルギーの生成、循環、排泄というそれぞれの働きに対応した養生法があるのですね。

①養生とは、
自然治癒力のエネルギー源である

『気』の【生成】⇨【循環】⇨【排泄】

というルートをうまく働かせることである!

②養生には【生成の養生】【循環の養生】【排泄の養生】がある!

気の生成をうまく働かせる養生法

まずは、気の生成をうまく働かせるための養生法についてです。

自然治癒力の源となるエネルギーには、先天的に生まれ持った分と、後天的に生成していく分があり、

生成の養生が関係するのは後天的なエネルギーの方です。

後天的なエネルギーを生成していく際に深く関与するのは飲食です。

ゆえに、生成の養生法として最も大切なのは食養生になります。

つまり、

バランスのとれた食事内容が大切になるということです!

・・・

と言われても、

「それくらいのことはわかってるけど…」

「なかなかバランスまでは…」

という方は多いかもしれません。

確かにバランスの取れた食事は理想ですが、

薬膳のようにバランスを考えて毎日理想的な内容を揃えるのは、実際にはなかなか困難です。

食事のバランスを考え出すと、誰でも実践しやすい養生法というコンセプトから外れますので、

今回は、

あえて食事内容より、誰にでもすぐできる再現性のあるノウハウとして『食べ方』について提案してみます。

バランスのとれた食事はもちろん大切ですが、食べ方というのもそれと同じくらい大切なのです。

具体的には、腹八分目よく噛む食事時間を規則正しく夜九時以降は胃を休めるということです。

消化器系に負担をかけると、気の供給が不足し水分代謝も悪くなります。

その結果、

自然治癒力が低下するだけではなく、倦怠感、むくみ、膝関節の痛み、水腫、消化器系統の症状がでやすくなります。

胃を守るというのは、生成の養生ではとても大事なことなんですね。

でもしかし…

実際に腹八分目は難しくないですか?

八分目どころか、気づいたら十二分目になってたことはありませんか?

噛む回数が少ないとそうなりやすいんですね。

それでは、食事時には意識してよく噛んでいますか?

満腹になってから「あ、忘れてた!」といって噛むことを思い出すことはありませんか?

腹八分目やよく噛むということが習慣になっている方は理想的です

でもそれが難しい方のほうが多いかと思われます。

ではどうすればいいのか…ということなんですが、一番やりやすい方法としては

『一口の量を少な目にする』

ということです。

これなら食べている間ずっと噛む回数を意識するよりやりやすいですし、同じ食事量でも自然と噛む回数は増えます。

必然的に食事時間も長めにとれることにもなり、胃にかかる負担も少なくなります。

ダイエットにもよいかもしれませんね。あと付け加えるとすると、食べ方が上品にみえます。

ということで、

生成の養生法としての食べ方のコツは、一口の量を少な目にしてみるということです。

これは誰でも実践できて継続もしやすく、患者さんにも推奨している方法ですので是非試してみてくださいね

気の循環をうまく働かせる養生法

それでは次に、生成した気をうまく循環させるための養生法です。

気がうまく生成されたとしても、それが巡らなければ宝の持ち腐れで意味がありません。

でも実際には、

自然治癒力が低下して未病になったり病気になったりする場合は、この循環の働きに異常があると診断されることが非常に多いものなのですね。

そのため、気を巡らせて自然治癒力を高めておく養生というのも非常に大切なものになります。

循環の養生で大切なのは運動呼吸です。

まず運動ですが、何もハードなことをする必要はありません。

運動は気を巡らす機能を促進して、自然治癒を活性化することにつながります。

特に有酸素運動は、気を巡らせる働きを強化します。

そして、

手足を動かすことはエネルギーを後天的に生成する働きを強くし、

特に足腰をよく使うことは、加齢で弱る先天的なエネルギーを活性化させます。

では、

誰でも毎日できて、有酸素運動で、手足を動かして、足腰を鍛えるという条件を満たしている運動は何かというと歩くこと』ですね。

歩くというのは運動の基本です。何事もまず基本をおさえておくことが大事です。

この運動の基本さえ押さえておけば、自然治癒力を高める条件の一つは満たしていることになります。

ただ一つ注意点としては、有酸素運動の要素を含めるためには二十分以上の歩行が必要ですが、これはご自分の体力に応じて歩いてください。

あまりノルマを決めず荷物も持たずにブラブラ歩く方が身体の空間的バランスを崩さずにすみます。

少しでもかまいませんので、まずは体力に応じて一日のどこかに組み入れて習慣化してしまうこが大切ですね。

次に呼吸です。

もし運動ができない方は、呼吸の養生法に取り組んでみてください。

呼吸法は、滞った気の巡りをよくするための有効な手段です。

歩く運動ができない方であっても、年齢に関わらず誰にでもすぐできる養生法でもあります。

簡単な方法をご紹介します。

まず正座かイスに浅く腰掛けて姿勢を正します。(寝たきりの場合は寝たままの姿勢でかまいません)

次に姿勢を保つ以外の身体の力を、首、肩、腕、胸、お腹、足という具合に上から順番に抜いていきます。

気の滞りを解いていくにはできるだけ余分な力を抜いてみることが大切です。

それから、10秒位かけてゆっくり口から細く長く息を吐いていきます。

身体中の空気を吐ききるイメージで行います。

吐ききったら次に、鼻からやはり10秒位かけてゆっくり長く吸っていきます。

その際に、吸った空気を下腹部に納めるイメージで行います。

普段2〜3秒で行う一呼吸に20秒位かける意識で5〜10分位やっていただくとよいでしょう。

これは、気を巡らす効果の高い養生法で、即効性もあり、身体の余分な力が抜けていく気持ちよさが実感できます。

これも是非試してみてください。

気の排泄をうまく働かせる養生法

それでは最後に、気をうまく排泄させるための養生法ですね。

気の排泄というのは、

正確には、気が巡った結果において出た老廃物や毒素の排泄のことです。

これがうまくいかないと、毒素が自然治癒力の働きを妨害してしまうのですね。

一般的には、健康法等で食養生や運動の大切さはよく言われますが、東洋医学では特に排泄を重視します。

極論すると、

飲食等で不養生をしても、どんどん排泄さえできて毒素を体内にこもらせなければ、自然治癒力を維持でき、体の中に腫れ物や炎症ができにくい状態を保てるのですね。

それほど重要な排泄で大切なのは、もちろん大小便発汗です。あと女性であれば生理出血です。

自然治癒力を維持するためには、お通じがあること、おしっこがよく出ること、発汗すること、女性であれば生理出血があることがとても大切なことなのですね。

もし、すでに大小便が出にくかったり、汗をかきにくかったり、生理出血の量が少なかったりなかったりする場合は、

すでに病気(未病)と判断され、東洋医学的にも色々な原因が考えられるため、原因に応じた処置が必要になるのですが、

それらの状態が改善しやすくなるような養生法をご紹介してみます。

大便について

お通じでは、「食べる物の質」「気の巡り方」が大切になり、食事と運動の養生とは縁が切れません。

まず「食べる物の質」としては、

脂っこいものや甘いもの、味の濃いものは、腸に熱をこもらせ便を硬くしてしまうので、食べ過ぎはよくありません。

ちなみに、

約二千五百年前の中国で、74歳の長寿を生きた孔子という方は、食養生にはかなり気を使い、肉等の熱をこもらせる食材は主食のごはん以上には食べなかったようです。

逆に食べた方が良いものとしては、通じがよくなるような食材、一般的には食物繊維の豊富なものを摂取することは必須です。

たとえば、

エリンギ・えのき等のキノコ類、わかめ・ひじき等の海藻類、バナナ、りんご、れんこん、ごぼう、こんにゃく等は食物繊維が豊富です。

ただし、レンコンやごぼうは不溶性食物繊維の比率が多いとされるので、お腹の弱い方は摂り過ぎ注意です。

便がコロコロで硬い場合は、ハチミツやアボカド等の腸を潤す作用のあるものは有効です。

また、人によっては亜麻仁油をスプーン一杯や、日本酒をお猪口に一杯とることで排出が促進することがあります。

どちらもすぐ手に入るものなので、一度試してみてもいいかもしれません。

あとは「気の巡り方」に関してですが、

高齢の方の場合は運動不足、若い方の場合はストレスが原因でお通じに悪影響が出ていることが多いのです。

したがって、

気の排泄の養生法でも、気の循環をうまく働かせる養生法がそのまま必要になるのですね。

すなわち、『歩くこと』『呼吸法』がそのままお通じの養生にもつながるのです。

●小便について

次に小便ですが、

実は小便の出が悪い場合は、養生だけで何とかするというよりは積極的な治療が必要なことも多いのですが、

利水作用のある小豆、きゅうり、冬瓜、すいか等を摂取してみるのもよいでしょう。

もし高齢の方で、小便の勢いがない、キレが悪い、頻尿で量が少ない、夜間尿があるというような場合は、

加齢によって先天的なエネルギーが衰えていることが多いので、

黒豆、山芋、栗、クルミ、クコがそれを補います。毎日少しずつ継続的に摂取するのがおすすめです。

●発汗について

発汗に関しては、汗が出にくい場合と汗っかきな場合がありますが、ここでは汗が出にくい場合についてご紹介します。

なぜなら、

発汗は体温の調節のための大切な働きですが、東洋医学的には身体の余分な熱を排出するという働きもあるからです。

つまり、

汗が出にくい方は、熱がこもることで自然治癒力が低下し、内熱がそのまま病気の原材料になるということなのですね。

このような場合は気を巡らせる治療が必要なのですが、養生法としては気を巡らせる食材の力を借ります。

それは、香辛料の中でも辛味のあるものです。中でも「生姜」は体表面の気を巡らせる働きが強いので発汗を促す作用があります

ただし、生姜紅茶等の粉末になった生姜は作用がまた異なり、内熱を助長してしまいますので、汗の出にくい方は摂取しないようにしてください。

●生理出血について

女性の生理は、妊娠用に準備して使わなかったエネルギーを捨てるためのものです

もし、不要なエネルギーをうまく捨てることができなければ、それはやはり自然治癒力を低下させ、そのまま病気の原材料になります。

ゆえに、

出血量が少なかったり、生理自体がない場合の養生法で、誰でもある程度当てはまるもので言えば、

東洋医学的には、心理的ストレスが気の巡りを悪くしていることがほとんどなので、

ここでも気の循環をうまく働かせる養生法が必要になります。

運動であれば、歩くことにこだわらなくても、自分が心から楽しめる感覚のある運動を選んで行ってください。

心を楽しませるというのがポイントです。

あとは呼吸法をすれば養生としてはOKです。

排泄の養生の中の、小便や発汗、生理に関しては個人差が大きく、積極的な治療が必要な場合もあり、養生法もオーダーメイドで処方した方がよい面もあるのでややこしいのですが、

誰にでも当てはまり、簡単にできそうなものをご紹介してみました。

よろしければ、

できそうなものから日常に取り入れて、徐々に習慣にしてみてください。

そして最後になりますが、

養生を実践していく際に大切になるのはモチベーションの保ち方すね。

これまで、養生法に関していろいろ述べてきましたが、養生は習慣化しないとなかなか効果を実感できません。

養生を続けていく上で、どうモチベーションを保っていくかということはとても大事なことになります。

これは養生を実践していく場合だけではなくて、病気を改善していく際にも大切なことです。

病気をやめる場合と似ていますが、

養生や治療を続けていくための理由が「健康になりたい」というだけでは弱いのです。

確かに、健康になりたい、健康でありたいというのは大きな目標になりますが、

その先のプランがないと、脳はなかなか養生を継続してはくれません。

「なぜ健康になりたいのか?」

「健康になってどうするのか?」

という部分が実は大事なんですね。

こういうふうに問われた時に絶句したとしたら、養生ももしかしたら三日坊主になる可能性が高いわけです。

健康になりたい理由、健康でありたい理由をはっきりと答えられるようにしておくというのは、モチベーションを維持する上でもすごく大事なことです。

養生法を実践する前には、目標の設定を是非してみてくださいね。

ということで、長くなりましたが簡単にまとめると、

まとめ

●養生とは自然治癒力に必要なエネルギーである「気」を作り、循環させ、排泄するという3つの働きをうまく機能させること

●養生には生成、循環、排泄の働きにそれぞれ対応した養生法がある

●生成の養生法で大切なのは食養生。一口の量を少な目にする食べ方はバランスのとれた食事と同じくらい食養生では大切。

●循環の養生で大切なのは運動と呼吸。運動では歩くこと、呼吸では呼吸法が有効。

●排泄の養生で大切なのは大小便と発汗、生理出血。大便では食べる物の質と運動の養生が万人に共通し、小便や発汗、生理では個人差がありオーダーメイドで処方した方がよい面もある

養生を習慣化するために健康になった先のプランを用意しておくことが大切。

ということでした。

以上、ここまで長くなりましたが、

【生成の養生】【循環の養生】【排泄の養生】の3つの養生法をお伝えしてきました。

もし、これだったらできそうかな…というものがあれば、少しずつでも実践していただければ幸いです。

これからも不定期ではありますが、身体に対する養生法をお届けしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

今回の内容が、

あなたの自然治癒力を高めて、より良い未来をデザインしていくためのヒントになりますように。

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