こんにちは。
心と身体の専門家・金子 敏昭です。
今回は、
東洋医学的な切り口から少しアカデミックに、心が病気をつくる原因を解説していきたいと思います。
ここからは、
「科学で証明されていることしか信じることができないっ!」という方は読み進めない方がいいかもしれません。
・・・
ではさっそくはじめましょう。
古来、東洋医学では、
普段、私たちが意識できる顕在意識の働きを「神(しん)」、意識できない潜在意識の働きを「魂(こん)」と名づけ、
心が二重構造になっているという前提の上で医学理論を構築してきました。
そして、
「神」と「魂」の関係を『魂は神に従う』と表現し、潜在意識は顕在意識に影響を受けて形成されるということも理解していました。
また、
このような関係性を、太陽と影にたとえて説明することもありました。太陽が動けば影も移動します。
つまり、
影である潜在意識(魂)は、太陽である顕在意識(神)によって、どのような想いを形作るか決定されるということですね。
わかりやすくいうと、
顕在意識(神)で思ったことや感じたことは、潜在意識(魂)にすべてインプットされ続ける関係にあるということになります。
「まさか?」と思われるかもしれませんが、あなたが生まれてからこれまでに思ったことや感じたことは、良いものも悪いものも分け隔てなく潜在意識にインプットされ、あなたの無意識の思考パターンを形作っているということなのですね。
実は、治り難い病気を引き起こすメカニズムを説明する際には、どのような無意識の思考パターンを形成しているかが重要なポイントになります。
東洋医学では、生命エネルギーをサラサラと巡らせ不要なものを排泄させる一連の働きを「疏泄(そせつ)」といいますが、
「疏泄」に異常をおこすと、サラサラ流れていた気が滞りをおこしたり、流れが暴走したりします。
ここに病気、つまり気の流れが病んでしまう状況が発生してくるのですね。
そして、
気の流れが病んだ状態、すなわち「異常な疏泄」は、身体各所、様々な生理機能に異常なアクションをおこさせます。
「疏泄」の異常から展開される各疾患の細かい病理機序の説明は省略しますが、東洋医学的にはガン、膠原病、神経難病等の様々な病気の多くがここから始まります。
そしてさらに重要なことは、
「疏泄」の働きと潜在意識(魂)の状態は、オーバーラップしている関係性にあるということです。
つまり、
「疏泄」の働きの善し悪しは、潜在意識領域の想いに直に影響を受けるということです。
ものすごく簡単にいえば、
心が屈託なくのびのびしているとそれに従って「疏泄」がよく働き健康になるけど、心の中に思い煩いをひきずっていると、それに従って「疏泄」も滞りがちになり病気になるということですね。
ちなみに潜在意識は、脳の働きの95%を支配すると言われています。
これは、人間は思考と行動のほとんどを無意識的に行っており、
細胞の新陳代謝や心臓の拍動の調整、呼吸、発汗や体温の調節、食べた物の消化や吸収、免疫の働き、様々なホルモンの分泌等の、
脳がつかさどる身体の働きのほとんども、潜在意識の支配下にあるということを表しています。
そして、
東洋医学ではそのような心と身体の関係を二千年以上前に把握しており、それを体系化して書物(木簡、竹簡?)に残しました。
東洋医学の最も重要とされる書物の冒頭部分では、
『心が平静であれば、それに従って気がよく流れるから、どうして病気になることがあるでしょうか。』と言い切られています。
では、万病の元になる心の状態とはどのようなものでしょうか。
わかりやすい例を挙げてみます。
今ここに、偏頭痛が持病の人がいるとします。
最初のうちはイライラしたり集中したりした後に頭痛が起こっていたのが、年月を経て、徐々に精神的なイライラや集中がなくても頭痛するようになってきました。
その人はもともと、「何事も完璧にこなさなければならない!」という価値観を持っていて、それができないような状況になったら非常にストレスを感じ、
「何でこんなこともできないんだ!」
「だから嫌なんだよ!」
というふうに、自分や他人を裁いてしまうような攻撃的な感情を、顕在意識(神)に持ってしまうことがたびたびありました。
この攻撃的な感情は怒りとなり、怒りや緊張は「疏泄」の働きを阻害して、エネルギーをサラサラ流れなくしてしまいます。
その結果、偏頭痛をおこしてしまうのですが、問題はその後です。
このようなことを何度も何度も繰り返していくと、次第に自分や他人を裁く攻撃的な感情が徐々に潜在意識(魂)の方へ刻印されていきます。
実は、潜在意識は顕在意識と違い年中無休で働き続けているのですね。
つまり、
「疏泄」を暴走させるような思いを潜在意識に刻印すると、顕在意識のレベルではリラックスしていても、水面下の深い領域では刻印された怒りの感情がそのまま渦巻いていて心のノイズとなり、表面的には何もしていなくても偏頭痛を誘発してしまうということがおこってきたりするのですね。
この場合、問題になるのは「完璧にこなす」という価値観です。また、それに伴う過去の体験の記憶です。
健全な価値観であっても、それが元で自分や他人を裁いてしまう感情が、結果として自分を傷つけてしまうことにもなっているということですね。
万病の元となる心の状態と、それがどのように病気につながるかということを、わかりやすい例を挙げて簡単に説明するとそのようなことになります。
ただし、このようなことは誰しも無意識的に行っていることでもあるのですね。
一度この機会に、あなたも自分自身のことを振り返ってみて、自分にはどのような価値基準があるか再認識してみるのもいいのではないでしょうか。
今日一日、どんなことに心が揺れ動いたか、自分の中のどのような価値基準がそれを引き起こしていたのか、そしてそれはいつからあるのか等々、
あいまいになっている心の中を整理していくことで、病気をやめるきっかけがつかめるかもしれませんよ。
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期間限定なので、この機会を逃すと大きな損失かもしれませんよ。