こんにちは。
心と身体の専門家 金子 敏昭です。
今回もあなたが病気をやめて健康を取り戻すためのヒントをお届けしていきます。
以前、
膠原病をつくってしまう潜在意識の原因について解説したことがありますが、
今回は、膠原病の中でも代表的な病気であるリウマチについて取り上げてみたいと思います。
とはいえ、リウマチについての情報は巷に溢れていますので、
こころの鍼ブログでは、
私が専門とする東洋医学の視点から、リウマチをどのように分析してどのように治療していくのかを、
できるだけわかりやすくお伝えしていきますね。
ただ、
それだけだと単に東洋医学の情報で終わってしまいますので、
これまでにない視点、すなわち、
リウマチにも深く関わってくる心理的なストレスを、より深い潜在意識の視点からみた、
『リウマチをつくってしまう心(潜在意識)の理由』と『その対策』について解説していきます。
今このブログを読まれているということは、
もしかしたらあなたは、
リウマチを患っておられて、長年その症状や薬の副作用に苦しんでこられたのかもしれません。
そして、
より良い治療法や手立てをお探しなのかもしれません。
もしこのブログを読まれるとしたら、
現在の科学ではまだ証明されていないこころの鍼ブログの内容に驚かれることでしょう。
でもそんなあなたにこそ役立つような、より中身の濃い情報をお届けしていきたいと思いますので、以下お付き合いくださいませ。
(※リウマチをおこす心の理由に興味のある方は後編からお読みください。⇒後編はこちらから)
リウマチについての概略
それではまず最初に、
現代医学の視点からリウマチについての知見を、簡単に紹介してみます。
リウマチは、
本来、身体を病原菌等から守る働きのある免疫システムが、何らかの原因で狂ってしまい暴走することで、自分の身体を攻撃してしまうようになる病気ですね。
症状としては、
免疫細胞が手首や指等の関節を集中的に攻撃してしまうために炎症がおこり、手足の関節が腫れて痛むようになります。
この炎症が長期化すると、
骨や軟骨までが破壊されていき、やがて関節が変形して固まってしまい、場合によっては日常生活の動作が大きく制限されるようになります。
リウマチは圧倒的に女性に多い病気で、
年齢は30代から50代の間で発症することが多く、全国で100万人近くの方がリウマチを患っていると言われています。
このような特徴を持ったリウマチですが、
そもそもなぜ免疫にそのような異常がおこるのかについては、現代医学では今のところ原因不明とされています。
治療としては、
従来のステロイド剤や抗リウマチ薬、免疫抑制剤に加えて、近年では生物学的製剤という薬を併用することで症状を軽減しつつ、
リウマチの進行そのものを抑えていくという処置をしていきますが、
それに関しては、すでによくご存知のことかもしれません。
東洋医学の視点から
それでは次に、
東洋医学の視点からリウマチを分析していきますね。
東洋医学では、リウマチのことを「痺病(ひびょう)」という病名で捉えます。
「痺病=リウマチ」に関しては、
数千年前の医学書にもすでにその原因や治療についての記載があり、実はリウマチは人類が昔から患ってきた病気のひとつなのです。
そして、
東洋医学におけるリウマチ発症のメカニズムは、いくつもの原因が絡み合っていることが多く、実は少し複雑です。
ですが、基本となるメカニズムは共通していますので、できるだけわかりやすくお伝えしていきますね。
東洋医学では、
リウマチを発症させる原因を、大きく2つに分けて捉えていきます。
外からの原因
ひとつは「外邪(がいじゃ)」によるものです。
外邪とは、
急に寒くなったり熱くなったり湿気が多くなったり等の、気候の状態や変動が身体に悪影響を与えた場合に限り、
そのような気候状態や変動そのものを外邪と表現します。
つまり、
気候の状態や変動に悪影響を受けた人にとってはそれは外邪となり、受けない人にとっては外邪とはならないわけですね。
そして外邪にはいくつかの種類と組み合わせがあるのですが、
たとえば、
「冷え」の外邪の影響を受けた状態になると、身体の表面は「冷え」にコーティングされたような状態になり、体表面の気の流れは非常に悪くなります。
これは、生命エネルギーである気の流れに、外側からブレーキをかけている状態とも言えます。
このように、外邪の影響を受けた場合は、脈やツボには特有の病的反応が表れます。
この状態を改善することは、実は東洋医学的にリウマチを治療していく際の大切なポイントになるのですね。
治療としては、
外邪の種類に応じて、身体の表面の冷えや湿気を除いたり、気を流したりするツボや生薬を処方していきます。
これによって気の流れにかかる外側からのブレーキを解除し、快方に向かわせる状態を整えることができるのです。
ちなみに、
リウマチは季節や天候の状態に症状が左右されるということが経験則的によく知られていますが、
気象の変化によって症状が出たり悪化したりする病気を、現代医学では「気象病」といいます。
気象病の中にはリウマチも含まれていますが、現代医学ではなぜ気象が身体に悪影響を与えるのかはわかっていないということです。
しかし東洋医学的には、
このような「外邪」としての気候変動によって、気の流れに外側からブレーキをかけられることがリウマチ発症の大きな原因のひとつになるのですね。
内からの原因
でも実は、
外邪の影響を受けてしまう大元の原因は、常に身体の側にあります。それがリウマチ発症のもうひとつの原因である「内傷(ないしょう)」です。
内傷とは、
生命エネルギーを弱らせる原因のことです。
リウマチに多い内傷は、大きくは過労と心理的ストレスに分かれます。
過労の場合は、
特に女性の出産によって「腎気虚(じんききょ)」とよばれるエネルギー不足の状態が引き起こされ、それが生命力の弱りにつながっていきます。
腎気というエネルギーは、
女性の妊娠出産に深く関わるエネルギーであると同時に、寒暖の差や気候の変動に対する抵抗力となる力でもあります。
つまり、
元々、体質的に腎気の弱い人が出産を経て腎気の不足を助長することで、外邪の影響を受けやすいベースをつくってしまうパターンが多いということですね。
これは、リウマチが女性に多いことの
東洋医学的な説明になります。
治療としては、
腎気をフォローアップして、徐々にエネルギーを高めてあげるためのツボや生薬を処方していきます。
腎気を補うと同時に外邪の影響を除いていけば、治療自体はさほど難しいものではなく予後も良好なことが多い印象です。
ところが、
それよりもっとやっかいなのは、もうひとつの内傷である心理的ストレスです。
心理的ストレスは、気という生命エネルギーの流れに内側からブレーキをかけてしまいます。
そしてそのブレーキが、特に体表面の気の流れに強く及んだ場合に、外邪を受けやすい状態をつくってしまうのですね。
治療としては、
精神を落ち着かせたり、心理的ストレスからおこる気の停滞をうまく流していくためのツボや生薬を処方していきます。
ただ、ここでひとつ問題が生じます。
お気付きの方もおられるかもしれませんが、気の流れに内側からブレーキをかけてしまう心(潜在意識)には、鍼や生薬は届きません。
つまり、
身体面からのアプローチのみでは、リウマチの大元の原因を解決することはできないということです。
先だって、内傷としての心理的ストレスがやっかいだと言ったのはそのような理由からです。
そして実際は、
腎気虚も一定関与しますが、心理的ストレスが気の流れにブレーキをかけ外邪を受けることでリウマチを発症しているケースがほとんどなのですね。
これは、
身体が病んでいるからと言って身体だけを診るのではなく、
そのような状態をつくりあげた心理的背景を丁寧に紐解いていくことが、根本的な解決には必要不可欠だということを示唆しています。
つまり、
気を流す働きに内側からブレーキをかける心理的ストレスを抽出して、緩めてあげる必要があるということですね。
ここで前編の内容をまとめると、
●リウマチは「外邪」と「内傷」という2つの要因が、身体の内側と外側から気の流れを悪くするためにおこる。
●「外邪」とは気候の状態や変動を表し、それに悪影響を受けてしまう大元の原因は身体の生命エネルギーを弱らせる「内傷」にある。
●リウマチに多い内傷には女性の出産による腎気不足と心理的ストレスによる気の滞りがあり、多くの場合は身体だけを診るのではなく心理的背景を紐解いてストレスを抽出して緩めてあげる必要がある。
ということでした。
次回の後編ではいよいよ、
『リウマチをつくってしまう潜在意識レベルの理由』と『その対策』について解説していきたいと思います。
どうぞお楽しみに!