こんにちは。
心と身体の専門家 金子 敏昭です。
今回は、甲状腺の病気・バセドウ病を取り上げてみます。
あえて特定の病気にフォーカスすることで、できるだけオーダーメイドに近い形で有用な情報をお伝えしていければと思っています。
しかしながら、バセドウ病に関する西洋医学的な情報はおそらくあふれるほどありますでしょうから、
まずは私が専門とする東洋医学の視点からその原因をわかりやすく解説していきますね。
ただ、それだけでは単なる東洋医学の情報になってしまいますから、
それに加えてバセドウ病を引き起こす「心の原因・無意識の思考パターン」についてもお伝えしていくことで、より価値のある情報を提供していきますのでよろしくお願いします。
バセドウ病ってどんな病気?
それではまず、簡単にバセドウ病についてご説明すると、バセドウ病は喉のあたりにある甲状腺のホルモンが過剰に分泌してしまう病気です。
甲状腺ホルモンは、新陳代謝を促進して熱エネルギーを作り出しますが、
それが必要以上に分泌されることで甲状腺が大きくなったり、動悸がして脈が速くなったり、汗を多くかいたり、手が震えたり、暑がりになったり、口が渇いたり、身体の中がオーバーヒートをおこしているような症状が出るのが特徴です。
一般的には、すぐに命にどうこうということはありませんが、場合によってはクリーゼといわれる重篤な状態をおこして命に危険が及ぶこともあります。
そのため、病院のドクターに「治療しないと死ぬよ」と言われた方もいらっしゃるかもしれません。
そのようなバセドウ病に対して、西洋医学では色々な治療法が開発されています。
治療としては、メルカゾール等の甲状腺ホルモンを抑える薬を服用しますが、
無顆粒球症という白血球の成分がなくなってしまう副作用が出た場合は、アイソトープという方法で甲状腺の細胞を破壊するか、手術で甲状腺そのものを切除したりするのが一般的で、適切な治療をすれば治るとされている病気です。
西洋医学と東洋医学、どちらがいい悪いというものではないのですが、
中には西洋医学的な治療に抵抗がある方や、薬が身体に合わないという方も実際にはいらっしゃいます。
そのような方にとっては、東洋医学の視点からの治療も有効な選択肢となり得るのですね。
東洋医学の視点から診てみると…
それではさっそく、東洋医学の視点からバセドウ病の特徴的な症状から診ていくと、
まず、脈が速くなったり、手が震えたり、汗が多く出たりする等の症状がありますが、これらは実際には、どのような状況でそれらの症状がおこるかで東洋医学的な意味合いに違いがでてきます。
たとえば、喉の渇き方ひとつをとっても、冷たいものがいいか温かいものがいいか、がぶ飲みするのか潤す程度でいいのか等で、「喉が渇く」という症状の持つ意味が東洋医学的には違ってくるのですね。
ただ、バセドウ病は若い方(女性)に多いということもあり、ほとんどのケースでは、過剰なヒートアップで発生する余分な熱と、それをクールダウンさせる働きの低下が原因になっています。
【過剰なヒートアップ>クールダウンの弱り】か、あるいは【過剰なヒートアップ<クールダウンの弱り】かの区別は必要ですが、
東洋医学的にはバセドウ病の直接的な原因は余分な熱です。
甲状腺ホルモンは新陳代謝を促進して熱エネルギーを作り出しますので、その機能の亢進が、東洋医学では余分な熱として認識されるのかもしれません。
東洋医学ではこのように、まずざっくりとした鑑別をした上で、そこからはじめて細かく絞り込んでいくという診方をしていきます。
ということで次に大切なのは、熱は熱でもその熱の出所ですね。
つまり、「何がヒートアップして余分な熱ができるの?」ということですが、
これも多くのケースでは、身体のエネルギーをサラサラ流す「疏泄(そせつ)」という働きが過剰に亢進しておきていることがほとんどです。
ゆえに、治療としては
- 「疏泄(そせつ)」の過剰な亢進を抑制すること
- 余分な熱を排出すること
- 必要であればクールダウンする働きを高めること
以上の3つに大きくは集約され、そのような病態を改善する方剤(生薬)やツボを処方していきます。
このような東洋医学的な治療は、西洋医学的な治療に抵抗がある方や、薬が身体に合わないという方に対しては、身体に対する負担も少なく治療効果も比較的出やすいため、もうひとつの治療の選択肢になり得るのですね。
以上、できるだけわかりやすく東洋医学の視点からバセドウ病を紐解いてきましたが、これにはまだ続きがあります。
もう一段奥にある原因
それは、
『そもそも、身体のエネルギーをサラサラ流す「疏泄(そせつ)」という働きが、どうして過剰に亢進してしまうのか?』
というそもそも論ですね。
ここが冒頭でお伝えした、「心の原因・無意識の思考パターン」が関与する部分になっていきます。
実は東洋医学の理論では、「疏泄(そせつ)」という働きは人間の意識に大きく左右される働きということになっています。
人間の意識には、私たちが普段いろいろな物事を考える「顕在意識」と、意識することができない「潜在意識」との二重構造になっています。
「疏泄(そせつ)」はどちらにも影響をうけますが、特に「潜在意識」の影響を大きく受けることになります。
つまり、バセドウ病の原因を東洋医学的に追求していくと、潜在意識領域にある思考パターンにたどりつくわけですが、その思考パターンにも実は特徴があるのです。
そしてここからは、身体へのアプローチを超えた心へのアプローチになっていきます。
今回の前編は身体の原因と治療をメインにしてお伝えしてきましたので、バセドウ病を引き起こす心の原因・無意識の思考パターンについては後編でお伝えしていきますね。
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